偏頭痛とは何か?
偏頭痛は、血管の拡張による拍動性の頭痛で、多くは片側に発症します。原因ははっきりとは解明されていませんが、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、気圧の変化、睡眠不足、空腹、チョコレートや赤ワインなどの食品などが引き金になるとされています。また、発症前に「前兆」として視界にギザギザした光が見える(閃輝暗点)などの症状が出る人もいます。
西洋医学では、鎮痛剤やトリプタン系薬剤などによる対症療法が主ですが、根本的な体質改善にはつながりにくいのが現実です。
鍼灸で偏頭痛はよくなるの?
鍼灸治療は、体のバランスを整えることで、根本的な体質改善を目指すものです。東洋医学では、偏頭痛は「肝」の不調、「気血の滞り」「瘀血(おけつ)」などが原因とされることが多く、以下のような観点から治療を行います。
1.自律神経の調整
ストレスや疲労により交感神経が過剰に働くと、脳血管が過度に反応して頭痛を引き起こします。鍼灸で自律神経を整えることで、緊張状態からリラックス状態へ導き、血管の過剰な拡張を抑える効果が期待できます。
2.気血の巡りを良くする
偏頭痛を持つ方は、首や肩のこりが強く、頭部への血流が滞っていることが多いです。鍼灸では、全身の血流改善を目指し、特に「風池(ふうち)」「百会(ひゃくえ)」「天柱(てんちゅう)」など、頭部や首周りのツボを活用します。
3.内因性の要因(ホルモンバランスなど)にも対応
女性の偏頭痛では、月経周期と連動して症状が強くなることが多いため、「肝」「腎」「脾」などのバランスを調整し、ホルモンリズムを整える施術を行います。
実際の治療はどんな感じ?
治療はまず問診からスタートします。頭痛の頻度、時間帯、発症前の兆候、生活習慣、月経周期などを丁寧に確認し、東洋医学的に全身の状態を見極めます。そのうえで、症状の強い部分だけでなく、全身のバランスを整えるように鍼やお灸を用います。
痛みが強いときには、首肩の緊張をゆるめるような施術を。慢性的な偏頭痛には、体質改善を目的とした定期的な施術が推奨されます。
鍼灸を受けるペースは?
急性期を除けば、最初は週1回〜2回のペースで3〜5回受けてみるのがおすすめです。多くの方が数回で「発作の頻度が減った」「症状が軽くなった」といった実感をされています。
日常生活でもできるケア
鍼灸治療に加え、日常のセルフケアも重要です。
・規則正しい睡眠と食事を心がける
・過労や強いストレスを避ける
・カフェインやアルコールの摂取量を見直す
・頭部を冷やす(偏頭痛の場合は温めないほうが良いことが多い)
・定期的な軽い運動を行う
まとめ
偏頭痛は、薬だけではなかなか解決しない「慢性の悩み」ですが、体の内側から整える鍼灸という選択肢があります。症状を一時的に抑えるのではなく、再発しにくい体づくりを目指す鍼灸治療は、偏頭痛に悩む多くの方に希望を与えてくれるでしょう。
お悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。あなたに合った施術と体質改善のサポートを全力で行います。