顔を支配する神経
顔を通る主な神経は、
①顔の感覚を伝える三叉神経
②顔の表情を動かす顔面神経
の二つになります。
三叉神経は顔の広い範囲の感覚を脳に伝え、
顔面神経は表情筋を支配します。
感覚神経と運動神経に分かれます。
三叉神経とは?
顔の感覚(触覚、痛覚、温度覚など)を脳に伝える神経です。
顔を3つの領域に分け、それぞれの領域に対応する枝、
V-1 眼神経
V-2 上顎神経
V-3 下顎神経
に分かれています。
例えば、おでこ、頬、顎、鼻などの感覚を司ります。
三叉神経痛は、この神経のピリピリする痛みが特徴的な疾患です。
顔面神経とは?
顔の表情筋を動かす運動神経です。
顔面神経麻痺は、この神経の障害によって起こります。
顔面神経麻痺は、表情が作れなくなったり、口角が下がったり、
目が閉じにくくなったりする症状が現れます。
顔の運動をつかさどる神経になるので、障害されると痛みよりは動きが鈍くなる感じです。
顔面神経は、脳から出て、頭蓋骨の穴を通って顔に分布します。
顔面神経には、感覚や副交感神経の線維も含まれており、味覚や唾液、涙の分泌にも関与しています。
三叉神経痛とは?
三叉神経痛は、顔の片側だけに起こる激しい痛みを特徴とする神経痛です。
特に、頬、顎、歯茎、唇、または額に、電撃のような、または刺すような痛みが突然現れます。
痛みは数秒から数分続くことがありますが、すぐに治まることもあります。
しかし、痛みの発作が繰り返し起こるため、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
症状は?
・顔面の片側に突然、鋭い痛みが出る
・痛みの持続時間は数秒から数分程度
・痛みの発作が繰り返し起こる
・食事、会話、歯磨き、洗顔などの些細な刺激で誘発されることがある
・痛みのない時でも、痛みが再発するのではないかという不安感を持つことがある
原因は?
三叉神経痛の主な原因は、三叉神経が血管によって圧迫されることです。
特に、脳幹から出る三叉神経の根元部分で、血管が神経に接触し、圧迫することが多いとされています。
また、腫瘍や多発性硬化症などの病気が原因で三叉神経痛が起こることもあります。
治療法とは?
治療法として、薬物療法が用いられます。
抗てんかん薬などの薬を服用して効果が出るのか見ていきます。
その他にも、神経ブロックやガンマナイフ、パルス高周波を流すなど、治療は様々です。
鍼灸治療のアプロ―チ方法
1. 局所への施術
三叉神経の走行に沿った部位に鍼をします(第1枝~第3枝に応じて部位選択)
例:睛明(せいめい)、攅竹(さんちく)、四白(しはく)、迎香(げいこう)、顴髎(けんりょう)など
圧痛や過敏点を丁寧に探し、軽刺激で刺鍼(強すぎると逆に神経を刺激し悪化の恐れがある)
2. 遠隔経穴での調整
自律神経・痛みの感受性の改善を目的とした経穴
例:合谷(ごうこく)、太衝(たいしょう)、内関(ないかん)、足三里(あしさんり)、風池(ふうち)など
交感神経の過緊張を和らげる目的も
3. 灸や温熱刺激の併用
頭部や顔面の冷え・血流低下が関与する場合、温灸や温罨法での補助が有効です。
4. 刺さない鍼(てい鍼・ローラー鍼)などでのケア
特に痛みに過敏なケースでは、刺さずに皮膚刺激だけでも効果を上げることがあります。
副作用の少ない治療として、鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか?
鍼だけでなく電気も使用し、過敏になっている神経を落ち着かせるようにしていきます。
痛みの出ている場所、顔だけでなく首や背中などの身体全体の治療も行い、自律神経の調整も行います。
ツボも使い身体の調整を行います。
おひとりお一人のお身体に合わせて治療いたしますので、オーダーメイド治療となります。
お困りの方はお気軽にお問い合わせください。