東洋医学から見た「便秘」の原因とは?
東洋医学では、体の中の「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の巡りがうまくいっていない状態を不調ととらえます。便秘の場合も、「出ない」という結果だけでなく、なぜ出にくくなっているのかを体全体のバランスから読み解いていきます。
便秘のタイプには、以下のようなものがあります。
① 気虚タイプ(体力・エネルギー不足)
・疲れやすい
・お腹に力が入らない
・便意があっても出しきれない
→胃腸が弱く、腸の動きが鈍っている状態です。
② 気滞タイプ(ストレス・緊張)
・イライラしやすい
・お腹が張って苦しい
・ガスがたまりやすい
→ストレスで気の流れが滞り、腸が動きにくくなっています。
③ 燥熱タイプ(体の熱や乾燥)
・便が硬い
・のどが渇く
・肌が乾燥しやすい
→水分不足や体の熱がこもっていると、便が乾いて出にくくなります。
④ 冷えタイプ(冷え・血行不良)
・手足やお腹が冷える
・トイレに行ってもなかなか出ない
・月経トラブルがある女性にも多い
→冷えにより腸の働きが落ちている状態です。
このように、便秘といっても人によって原因や状態はさまざま。だからこそ、「下剤でとりあえず出せばいい」という考え方ではなく、体質に合わせたアプローチが必要なのです。
鍼灸でのアプローチとは?
鍼灸では、便秘のタイプを見極めたうえで、その人の体質に合ったツボを選んで刺激します。ツボを使って「気の流れ」や「内臓の働き」を整えることで、自然に腸が動き出す状態を目指します。
たとえば、こんなツボを使うことが多いです。
・天枢(てんすう):おへその左右、腸に直接関係するツボ
・大巨(だいこ):お腹の緊張をゆるめるツボ
・足三里(あしさんり):胃腸の機能を整える万能ツボ
・合谷(ごうこく):自律神経やストレス緩和にも関係
・三陰交(さんいんこう):冷えや女性ホルモンの乱れに対応
施術はお腹だけでなく、手足や背中など、全身のツボを組み合わせて行います。お腹の緊張がゆるみ、施術中にお腹が「グルグル」と鳴る方も多いです。
また、鍼の刺激はとてもやさしく、ほとんど痛みはありません。お灸で温めながら腸の動きをサポートすることもあり、リラックスして受けていただけます。
実際の患者さんの声
「便秘がひどくて、週に1回出れば良い方だったけど、2回目の施術後から毎日出るようになった」
「お腹の張りやガスがたまりにくくなった」
「鍼を受けた日は、お通じだけでなく気分もすっきりする」
こんな声をいただくことが多く、腸だけでなく、体と心の状態も整えていくのが鍼灸の特徴です。
鍼灸は“便秘を忘れる生活”への近道
便秘は「出ないこと」自体もつらいですが、出ないことで1日中気分がすっきりしなかったり、肌荒れや疲れの原因になったりと、知らず知らずのうちに日常の質を下げてしまいます。
薬に頼らず、体の中から自然に出せるようになると、気持ちまで前向きになります。
「便秘だから鍼灸?」と驚かれることもありますが、体の根本から改善していく鍼灸は、便秘との相性がとても良いのです。
慢性的な便秘に悩んでいる方、薬をやめたいと思っている方、便秘以外にも疲れや冷え・イライラがある方など、ぜひ一度鍼灸を試してみてください。
あなたの“毎日出る快適さ”を、鍼灸でサポートいたします。