なぜ目が見えにくくなるのか?東洋医学の視点
現代人の目は、非常に酷使されています。スマホやパソコン、テレビ、LEDの強い光…。
目を使う時間が増える一方で、目を休める時間は減っています。こうした「目の使いすぎ」や「自律神経の乱れ」「血流不足」などが原因で、目の機能が落ちてくるのです。
東洋医学では「目は肝の窓」といわれ、肝(かん)の働きが目と深く関わっていると考えられています。肝は血を蓄え、全身に巡らせる役割があります。特に目は血を多く使う器官なので、肝の不調が目に影響しやすいとされています。
また、腎(じん)や脾(ひ)といった内臓機能の低下も、目の疲れやかすみに関係することがあり、「どこが弱っていて目の症状が出ているのか?」を体全体から診ていくのが東洋医学の特徴です。
鍼灸で視力にアプローチする方法
鍼灸では、以下のような方法で視力や目の疲れにアプローチします。
■ 目の周りのツボを刺激して、目の筋肉や血流を整える
・攅竹(さんちく)
・魚腰(ぎょよう)
・承泣(しょうきゅう)
・晴明(せいめい)
これらは眼精疲労や視界のかすみ、ドライアイなどにも用いられる代表的なツボです。
■ 頭や首・肩まわりの緊張を緩める
目の不調は、首や肩のこり、頭皮の硬さ、自律神経の乱れとも関係しています。
そのため、首肩の筋肉をゆるめ、頭部への血流を良くするツボも重要です。
・風池(ふうち)
・天柱(てんちゅう)
・肩井(けんせい)
■ 全身のバランスを整え、根本改善へ
東洋医学の視点から、肝・腎・脾の働きを整えるために、手足や背中にも鍼をします。
・肝の調整 → 太衝(たいしょう)、行間(こうかん)
・腎の補い → 太渓(たいけい)、照海(しょうかい)
・脾の強化 → 三陰交(さんいんこう)、足三里(あしさんり)
一見「目と関係ない場所に刺すの?」と思われがちですが、全身のめぐりが整うことで目にも自然と良い影響が出てくるのです。
実際にどんな効果があるの?
鍼灸によって期待される効果には、次のようなものがあります。
・目の疲れやかすみが軽減する
・視界がスッキリし、ピントが合いやすくなる
・ドライアイがやわらぐ
・頭痛や肩こりも一緒に軽くなる
・集中力が上がり、仕事や読書がしやすくなる
・自然に目が開くような感覚が得られる
特に、病院で異常がないと言われた「機能性の視力低下」や「疲れ目」などには、鍼灸が力を発揮することが多いです。
視力の低下は「全身のサイン」かも?
東洋医学では、「目が見えづらい=目だけが悪い」とは考えません。
目の不調は、体のどこかに負担がかかっているサインかもしれません。
・肝の疲れ(目の疲れ・怒りっぽい)
・腎の弱り(老化・ホルモンの乱れ)
・脾の弱り(胃腸の調子・むくみ・だるさ)
こうした全体のバランスを整えることで、視力に関わる不調も改善に向かっていきます。
鍼灸は「視力を取り戻す」だけでなく「未来の目を守る」ためにも
視力の低下は、年齢や生活習慣とともにじわじわ進行します。
「今、少し見えにくくなっただけ」と放っておくと、後で回復が難しくなることも。
鍼灸でできることは、単に視力を回復させるだけではありません。
・目の疲れを早めにリセット
・血流や神経の流れを整えて、悪化を防ぐ
・緊張をゆるめて自律神経を調整し、自然治癒力を高める
つまり、目を元気に保つための“日常ケア”としても活用できるのです。
おわりに:目の奥がスッキリすると、気分も前向きに
視力の悩みは、周りに理解されにくく、本人にしかわからないつらさがあります。
でも、あなたの目は、体と心とつながっています。鍼灸は、あなたの目の奥にたまった疲れやストレスを、やさしくほぐしてくれる選択肢です。
もし今、視界に違和感を感じているなら、鍼灸で「目の健康」と「全身のバランス」を整えてみませんか?
あなたの目が、本来のクリアな視界を取り戻せるよう、私たちがしっかりサポートいたします。