ドライアイに対する高田馬場はりきゅう院の鍼灸施術
1、目の周りの血流改善
涙は血液から作られるため、目の血流改善のために、目の周りのツボに鍼やお灸を行います。刺激が大丈夫な方には電気刺激を加える場合もあります。
2、自律神経調整
自律神経の乱れもドライアイの原因となるので、自律神経調整施術も同時に行います。背中やお腹、手足のツボを用いた全身的な施術になります。
3、首肩まわりの筋緊張の緩和
首肩周りの筋緊張は頭部の血流の悪さにつながるので、首肩周りの筋緊張はしっかりととっていきます。
東洋医学では、肝の不調は目の症状として現れることがあるので、肝に関係するツボも用いて施術を行なっていきます。
ドライアイとは
ドライアイとは、目の表面を覆っている涙が減少したり、涙の質のバランスが崩れることにより、目の不快感や見えにくさが生じる病気です。目の外側を覆う角膜は非常に繊細であるため、ドライアイにより目が乾燥し、目の表面に傷ができることがあります。
近年、高齢化やエアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズの使用の増加によりドライアイの患者数は増加しています。
ドライアイのタイプ
ドライアイは涙の量が減少するタイプと、涙の質が変化するタイプがあります。現在のドライアイの大半は、涙の量は保たれているのに涙の成分に異常があり、涙の層が安定せずドライアイが起きていることがわかっています。涙の質の低下から起こるドライアイは、パソコンなどの作業が多い人や、コンタクトレンズを使用している人に多く見られます。
涙の役割
・目の表面の細胞を乾燥から守り、潤す
・目の表面の細胞に栄養や酸素を供給する
・目の表面を洗浄する
・目の表面の傷を治す
・外界から侵入する菌や異物から目を守る
・角膜の表面をなめらかにし、綺麗な像を映す
涙の構造と成分
涙は目の上外側にある涙腺で作られ、瞬きで目の表面に広がり、目を潤し保護しています。涙点という小さい穴から吸収され、涙小管、涙囊、鼻涙管を通り下鼻道に排出されます。
涙は、油層と液層の2つの層が一枚の膜(涙液膜)のように表面を覆っています。液層には、細菌感染を防ぐラクトフェリンや涙の安定性に重要な役割を果たすムチンなどのタンパク質、ナトリウム、カリウムなどのミネラル類、紫外線などの害から守る抗酸化のためのビタミン類や酵素など、さまざまな成分が含まれています。油層は涙の一番外側に存在し、涙の蒸発を防いでいます。この脂はマイボーム腺から分泌されています。
涙は異物が目に入った時に分泌される防御反射や情動による分泌だけではなく、常に少しずつ分泌されています。
涙の分泌中枢は脳幹にあり、涙を産生分泌する涙腺は自律神経の交感神経と副交感神経の支配を受けます。涙の産生分泌はおもに副交感神経の顔面神経が担っており、交感神経は涙に含まれる微量のタンパク質の生成など補助的な役割があります。
ドライアイの症状
・目が疲れる
・目が重い感じがする
・目がゴロゴロする
・目が乾いた感じかする
・目に不快感がある
・目がヒリヒリ痛い
・目が赤くなりやすい
・朝、目が開きにくい
・光をまぶしく感じやすい
・白っぽい目やにがでる
・なんとなく見えづらい
・時々かすんで見える
・視力の低下
角膜は非常に傷つきやすいですが、新陳代謝が活発で自己修復能力を備えています。涙には傷を治す成分が含まれていますが、ドライアイにより涙が不足すると修復が追いつかず、目の痛みや充血などの症状が出る場合もあります。
ドライアイと視力
ドライアイでは、目のかすみや視力の低下を感じることがあります。これは、ドライアイにより実用視力が低下している状態です。
実用視力とは、視力検査で測るような瞬間的な視力ではなく、日常生活における平均的な視力のことです。
ドライアイにより涙の層が不安定になると、目の表面がでこぼこして、光が乱反射して目の中に入ってくるため、視界がぼやけ不安定になることで実用視力が低下してしまうのです。
ドライアイを放置すると、視力の低下だけでなく目に様々なリスクが起こりえます。
涙の量が減ることで、目のバリア機能が低下し、ウイルスや細菌が直接目の中に入ってしまうことがあります。そうなると、角膜感染症やアレルギー反応による炎症が起き、目の痛みや充血などの症状が起こります。
ドライアイの放置により、目の疲れ、自律神経のバランスの乱れ、肩こりや頭痛など体の不調を発症することもあります。
ドライアイの原因
⚫︎パソコンやスマートフォンの使用
パソコンやスマートフォンの画面を集中して見ている時はまばたきの回数が減少し、涙が乾燥しやすくなります。
⚫︎加齢やホルモンバランス
加齢やホルモンバランスの変化により涙腺やマイボーム線の分泌機能が低下します。涙や油の減少や、涙や油の質の低下により、涙の層が不安定になり、涙が蒸発しやすくなります。
⚫︎内科的疾患
シェーグレン症候群、リウマチ、膠原病といった自己免疫疾患やスティーブン・ジョンソン症候群などの病気では、涙を産生する涙腺が障害され涙が減少します。糖尿病では、角膜の表面に傷がつきやすく、眼の違和感を感じやすくなります。アトピーやアレルギーがある方は、炎症や目をかくことにより、目の表面が傷つきドライアイを発症しやすくなります。
⚫︎薬の副作用
降圧剤や抗不安、抗ヒスタミン薬、抗利尿薬、抗コリン作用薬剤などの使用でドライアイの症状がでることがあります。更年期のホルモン療法でもドライアイの症状が出ることがあります。
⚫︎空気の乾燥
湿度の低い季節や、エアコンの風により目が乾燥しやすくなります。
⚫︎コンタクトレンズの使用
ソフトのコンタクトレンズは水分を吸収しやすく、涙の層が不安定になり、目が乾燥しやすくなります。
⚫︎生活習慣の乱れやストレス
睡眠不足、運動不足、食生活の乱れといった生活習慣の乱れにより、涙が減少することもあります。また、涙腺は副交感神経という身体がリラックスした状態で活動する神経により支配されているため、生活習慣の乱れやストレスにより自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位な状態が続き、涙の分泌が減少しやすくなります。
⚫︎マイボーム腺の詰まり
マイボーム腺が汚れや炎症により詰まる「マイボーム腺機能不全」になると、涙の層に必要な脂が分泌されず、涙の蒸発が促進されます。アイメイクをする人や、高齢者に多くみられます。
⚫︎目の手術
角膜移植手術やレーシックなど、目の手術後にドライアイの症状が出ることがあります。
⚫︎顔面神経の障害
涙腺での涙の産生分泌は副交感神経の顔面神経の支配を受けます。そのため、顔面神経が傷つくと涙が減少します。
ドライアイの治療方法
病院での主な治療方法は、点眼液と涙点プラグによるものがあります。
⚫︎点眼治療
症状が軽い場合は、潤いを持たせる人工涙液やヒアルロン酸製剤、涙の成分の分泌を促進させる点眼液が用いられます。症状が重い場合には、ステロイド点眼液を併用することがあります。
⚫︎涙点プラグ
涙の排出口である涙点に、涙点プラグという栓をすることにより、涙の排出を抑え、涙を目の表面にためる治療方法です。涙点を手術で閉じる涙点閉鎖術もあります。
⚫︎IPL(Intense Pulsed Light)治療
マイボーム腺の詰まりを、ILPという光を照射し解消します。
セルフケア
⚫︎パソコンやスマートフォンは長時間注視せず、まばたきを意識的に行いましょう。
⚫︎室内が乾燥している時は、エアコンの風向きを調整したり、加湿器を使用しましょう。
⚫︎涙の質の安定化のためには、無理な食事制限はせずバランスよく栄養をとることが大切です。
⚫︎マイボール腺が詰まらないように、アイメイクはしっかり落としましょう。
⚫︎目が疲れたら、ホットタオルなどで目を温めて血流を良くしましょう。目を温めることは、マイボーム腺の詰まりの解消にも効果的です。
⚫︎点眼薬は適切に使用しましょう。点眼薬の多用により、自分の涙を洗い流してしまったり、市販の点眼薬に含まれる防腐剤などの成分が刺激となり、かえってドライアイを悪化させてしまう場合があります。
ドライアイだと思っていても、アレルギーや緑内障、白内障など他の疾患が隠れている場合もありますので、目に違和感を感じる時は一度眼科を受診することをお勧めします。