1. 鼻は「肺」の窓口
東洋医学では「鼻は肺の竅(きょう)」とされ、鼻と呼吸器は肺と深くつながっていると考えます。
鼻づまりやアレルギー性鼻炎、嗅覚の低下などは、単なる鼻の問題ではなく「肺の働きの乱れ」を映し出しているサインでもあるのです。
肺は外気を取り入れて酸素を巡らせるだけでなく、体を守る「衛気(えき)」というバリア機能を司ります。そのため肺が弱ると、風邪をひきやすくなったり、アレルギー症状が悪化したりしやすくなります。
2. 肺と鼻の不調に出やすいサイン
鼻や呼吸にトラブルが出ているとき、次のような症状はありませんか?
・鼻づまりや鼻水が続く
・アレルギー性鼻炎、花粉症
・呼吸が浅く、息切れしやすい
・咳が長引く
・乾燥してのどや鼻が痛む
・風邪をひきやすい、免疫力の低下
これらは「肺気虚(はいききょ)」や「肺陰虚(はいいんきょ)」など、肺の気や潤いが不足しているサインと解釈されます。
3. 鍼灸で肺と鼻を整える
鍼灸治療では、鼻や呼吸の不調に対して「肺の働きを高め、気を巡らせる」ことを目的に施術を行います。
代表的なツボには次のようなものがあります。
合谷(ごうこく)
手の甲にある万能のツボ。鼻づまりや花粉症によく使われます。
列缺(れっけつ)
手首近くにあるツボ。呼吸を整え、肺経を調える。
迎香(げいこう)
鼻の両脇にあるツボ。鼻づまりや鼻水に即効性が期待できます。
足三里(あしさんり)
胃腸を強め、全身の免疫力を底上げします。
特に鼻炎や花粉症などでは、体質に合わせて継続的に鍼灸を行うことで、症状がやわらぎやすくなります。
4. 日常生活でできる肺の養生
肺は「潤い」を好み、「乾燥」を嫌う臓腑です。また気の巡りとも関わるため、普段の生活習慣がとても大切です。
(1)乾燥を防ぐ
・加湿器や濡れタオルで適度な湿度を保つ
・水分をこまめにとり、のどや鼻を潤す
・長時間の冷暖房による乾燥に注意
(2)肺に良い食べ物をとる
・白い食材(大根、れんこん、長芋、白きくらげ、梨)
・ハチミツや杏仁豆腐など、潤いを補う食材
・ネギや生姜など体を温めるもの(寒冷による鼻づまりに有効)
(3)呼吸を深める習慣
・朝起きてすぐの深呼吸
・軽い運動やウォーキングで胸を開く
・瞑想やヨガで「ゆっくり吐く呼吸」を意識する
5. まとめ
鼻や呼吸のトラブルは、肺の働きのサインでもあります。鍼灸で肺の経絡を整え、日常生活で潤いを保つことで、鼻づまりや咳だけでなく、風邪やアレルギーに負けない体を作ることができます。
お悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
あなたに合った施術と体質改善のサポートを全力で行います。