シンスプリントとは?
シンスプリントとは、すね(脛骨)の内側に痛みが出るスポーツ障害の一つで、
正式には「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれます。
特にランニングやジャンプを繰り返す競技を行う人に多く、
運動量が増えたときや、硬い地面での練習が続いたときに発症しやすいのが特徴です。
初期は運動後の違和感から始まり、悪化すると歩行時や安静時にも痛みを感じるようになります。
放置すると疲労骨折につながることもあるため、早めのケアが大切です。
原因は筋肉と骨膜の引っ張り合い
主な原因は、ふくらはぎやすねの筋肉(後脛骨筋やヒラメ筋など)の過緊張によるものです。
これらの筋肉が硬くなることで、骨膜が強く引っ張られ、炎症が起きて痛みを引き起こします。
また、東洋医学の観点では、下半身の「気血(エネルギーと血流)」の巡りが悪くなり、
筋肉がうまく柔軟性を保てなくなっている状態とも考えます。
特に「冷え」や「疲労の蓄積」によって血流が滞ると、痛みや炎症が長引く傾向にあります。
鍼灸治療のやり方
① 局所治療
痛みの出ているすねの内側やふくらはぎに、
細い鍼を浅めに刺して筋膜の緊張をゆるめます。
必要に応じて低周波のパルス(電気)を流すことで、
筋肉のポンプ作用を促し、炎症物質を排出しやすくします。
② 関連部位への治療
ふくらはぎだけでなく、太ももや足裏の筋肉、足首周辺の動きも関係しているため、
それらのバランスを整えることも大切です。
特に足首の柔軟性が低下していると、すねの筋肉への負担が増えるため、
鍼やお灸で周辺の血流を改善します。
③ 体質・全身調整
東洋医学的には「下半身の冷え」「気血の滞り」「疲労の蓄積」
が背景にあることが多いため、
腰やお腹への鍼、お灸を加えて全身の循環を整えます。
これにより再発しにくい体づくりを目指します。
鍼灸の効果
鍼灸治療によって期待できる主な効果は次の通りです。
・炎症の軽減と痛みの緩和
・血流促進による回復力の向上
・筋肉や筋膜の柔軟性アップ
・再発予防(負担を減らす体の使い方へ)
・下半身の冷え・だるさの改善
鍼によって血流が促されると、筋肉内に溜まっていた老廃物が排出され、
酸素や栄養が届きやすくなります。
結果として、痛みの回復が早まり、トレーニング復帰への近道になります。
自宅でできるケアと注意点
・トレーニング前後のストレッチを丁寧に
・ふくらはぎを温めて血流を保つ
・痛みが強いときは無理せず安静に
・シューズやフォームを見直す
鍼灸治療と並行して、日常でのケアを続けることで効果が持続します。
無理に運動を続けると悪化するケースもあるため、
「少し違和感がある時点」での早めの治療が理想です。
まとめ
シンスプリントは「休めば治る」と言われがちですが、
原因となる筋肉の緊張や血流の滞りを放置すると再発を繰り返します。
鍼灸治療では、痛みを和らげるだけでなく、
根本的に ””「疲労をためにくい脚」をつくるサポート”” ができます。
慢性的なすねの痛みや、運動後の違和感に悩んでいる方は、
ぜひ一度鍼灸でのケアを取り入れてみてください。
体の内側から整えることで、回復力が高まり、軽やかに動ける脚を取り戻せます。
お困りの方は是非一度、高田馬場はりきゅう院にお問い合わせください。
