胃腸の不調とは
胃腸とはとてもデリケートな臓器です。元々、虚弱体質な方もいれば食生活や加齢とともに衰える方もいます。胃腸の不調を感じる事がある人の割合はかなり高いです。しかし、それを治そうと行動を起こす人もいれば、軽視する方もいるのが現状です。胃腸の不調は、一時的だと思い放置すると慢性化してしまったり、進行して大きな病気になる事もあります。一般的な疾患だと思わずしっかりと病院を受診しましょう。
『胃腸の症状』
・腹痛
・胃もたれ
・胸焼け
・嘔吐
・吐き気
・下痢
・便秘
上記の症状に合わせて下記のような症状が見られた場合はすぐに病院へ行きましょう。
・急激な体重の減少
・食べ物を飲み込めない
・真っ黒な便、血便
・嘔吐をすごい頻度で繰り返す
・強い目眩
・血圧低下
・冷や汗
『胃腸の疾患』
・胃炎
・胃十二指腸潰瘍
・逆流性食道炎
・機能性ディスペプシア
・過敏性腸症候群
・便秘症
急性症状の場合は必ず一度病院へ行き検査をしましょう。
鍼灸が効果的となる胃腸の不調の原因
胃や腸に物理的なストレスがかかったり、精神的にストレスがかかった時などに不調は起こりやすくなります。そのような場合は鍼灸が適応となります。また、免疫力の低下により薬を飲んでもなかなか治らない胃腸の症状にも鍼灸は効果的です。
臓器は、自律神経によりコントロールされているため、自律神経を乱す原因となる生活リズム、生活の質は不調を引き起こさないためにも大切です。
自律神経を乱す原因
①生活のリズム
・就寝時間、起床時間がいつも違う。
・起きる時間が遅い。
・食事が不規則
②生活の質
・嫌な空間や緊張感が続く空間にいる時間が長くストレスにさらされる時間が長い
・運動や趣味の時間、落ち着く空間などがなくリフレッシュができていない
自律神経(脳)と胃腸の働き
基本的に胃腸の働きは、自律神経のうち副交感神経が優位な時に働きます。また、腸は脳との関係がものすごく深いとされている「脳腸相関」と言う考えがあります。
腸は「第二の脳」と言われるほど脳の指令もなく腸自身で働く機能を持っています。そのため脳と腸では自律神経やホルモンなどにより情報の伝達が行われています。
例えば、ストレスを感じたりする事で脳は腸に自律神経により刺激をあたえ腹痛を起こさせ、下痢便秘を繰り返し「過敏性腸症候群」になります。その逆もありえます。腸が病原体に感染したりする事で免疫力が落ちたり、体のいたるところに影響を及ぼします。
東洋医学の考え方
胃腸の不調には、『脾』と『胃』の関係が深いとされています。
まず『脾』は、飲食物から得た必要な栄養素を上に上昇させ吸収を手伝い、『胃』は必要のない栄養素を下に流す役割をしています。この関係が保たれることで消化と吸収がうまくいっています。また、『脾』は陰に属し燥を好む性質があり、『胃』は陽に属し湿を好む性質があります。『脾』が冷えすぎないように『胃』が陽の気で温め、『胃』が熱くなりすぎないように『脾』が陰液の一部を供給してバランスをとっています。
病症
『脾』
・脾気虚:脾の機能低下。胃の機能失調も同時に起こる。食用不振、大便溏薄、膨張
・脾陽虚:脾の陽気の不足による温煦作用(体を温める作用)の低下。腹部の冷え、水様便、未消化便。
・脾虚湿盛:脾虚の症状と内湿の症状がみられる虚実俠雑症。
『胃』
・食滞胃脘:過食や脾胃の機能失調。腹部の張痛、悪心、嘔吐、噯気(ゲップ)
・胃熱:脂っこい物、辛い物などの過食や内熱のこもり。胃脘部の灼熱感、呑酸、胃の不快感。
『脾』と『胃』
・脾胃湿熱:内生した湿熱が脾胃に影響。脾気虚と湿邪、熱邪が混ざる虚実俠雑症。
当院の鍼灸施術
まずは、自律神経測定器がありますのでそちらで自律神経のバランスを見させていただきます。その後、問診と触診をさせていただき、問診・触診・自律神経の測定結果の3つをもとに一人一人に合った鍼灸施術をさせていただきます。
基本は自律神経を整えるために、手足お腹への鍼灸を行い、その後足とお腹周りへの温め、を行います。その後うつ伏せになり首肩、足と鍼灸をしていきます。またプラスとして原因と考えられる凝り、ツボを狙い全身のバランスを整えていきます。
当院で使用している鍼はとても細く痛みの少ない施術を心がけさせていただいています。ご安心ください。
まとめ
胃腸の不調は様々あります。まずは病院で診断してもらう事が大切です。その後問題が無いようであれば、鍼灸での施術はとても効果的です。
自律神経のバランスは自分自身で意識してコントロールできるものではありません。鍼灸施術によりしっかりと自律神経を整えることに加えて、食生活や生活リズムなどにより腸内の環境を整えていく事が大切です。腸内環境は、免疫力に深い関わりがあります。メンタル面の調子や体の不調など体全体に影響力があります。胃腸だけではなく、体の疲労感ややる気が出ないなど一見すると胃腸の問題では無さそうなものでも関係があるかもしれません。少しでもお困りの際は気軽にご相談ください。