メニエール病
メニエール病の原因は、内耳における内リンパ水腫と言われています。回転性のめまいである事が多く、耳鳴りや難聴などの聴覚症状を伴い症状は反復します。
主な症状
主な症状は回転性のめまいです。
程度は強く、症状が反復して現れ、随伴症状として吐き気.嘔吐.冷や汗や難聴.耳鳴りなどを伴う事があります。
メニエール病の病態と原因は…
脳神経には内耳神経(Ⅷ)があり、内耳神経(Ⅷ)は蝸牛神経と前庭神経からなります。
内耳にある半規管や卵形嚢.球形嚢に受容器が存在し、前庭神経と繋がって平衡感覚の伝道路になります。
半規管の膨大部は回転速度を感知し、卵形嚢.球形嚢にある平衡班では直線加速度や重力を感知しています。この受容器達が信号を感知して前庭神経を通り小脳や大脳、脊髄や眼球運動系へと伝えられています。
平衡感覚は姿勢を保持しようとする感覚であり、平衡機能に障害がおきるとめまいが生じます。
メニエール病は内耳の内リンパ水腫が原因とされています。内耳の循環障害の原因は、感染症や外傷、自己免疫疾患などがあげられていますが、ストレス病の1つとも考えられています。
過度な睡眠不足や疲労などは、めまいを誘発する原因になります。精神的.肉体的ストレスの状態が長く続くと交感神経が亢進状態となり自律神経を乱す原因となり、不眠などに繋がっていきます。
末梢性のめまいと中枢性のめまい
めまいは内耳や前庭神経に原因がある末梢性めまいと小脳や脳幹に原因がある中枢性めまいに分類できます。
末梢性のめまいの特徴は回転性である事、頭位による影響が多くあり、中枢性は回転性ではなく、ふわふわと宙に浮いたような感じが特徴的で程度も軽い事が多いです。中枢性はめまい以外の小脳症状(ちどり足など)も伴う事もあります。
・末梢性めまい
メニエール病
前庭神経炎
良性発作性頭位めまい症
聴神経鞘腫
外傷
薬剤性など
・中枢性めまい
脳血管障害
多発性硬化症など
東洋医学で診るメニエール病
*肝陽上亢
過労.睡眠不足.加齢により陰液が不足すると陰虚という状態になります。陰虚という状態が長く続くと陽気を制御できなくなります。肝陰が不足すると陰が陽を制御できなくなり肝陽は亢進します。特に五臓六腑の「肝」と「腎」は源が同じであり、肝陰が不足すると腎陰も不足してくることから「肝腎陰虚」という状態になり「肝陽上亢」を引き起こします。
肝の陽気は上に上がりやすく、髄海(脳)を失調すると、回転性のめまいを起こしやすくなります。
「肝陽上亢」は、怒りの感情が症状を増強させるのが特徴です。
*痰湿
飲食不摂生や過労などで五臓六腑の「脾」が傷付くと「脾」の整理機能である水液の運化が失調し、病理物質(湿.痰.飲)が溜まると考えます。
これが「痰湿」という状態になります。
「痰湿」は、気の流れを阻滞させ、頭部に清陽が上がらず、そして濁陰が下がらないために浮遊感を伴っためまいが起こるようになります。
・病理物質(湿.痰.飲)とは、「肺」「脾」「腎」の機能失調で起きる水液代謝障害によって生じる病理的な産物です。
痰は粘稠度が高く、飲は水様性、これを合わせて痰飲と呼んでいます。
痰飲は主に肺失宣降で水液停滞、脾失健運で水湿の停滞、腎陽虚衰で水湿不可、三焦不通で水気互結、などで湿が集まり形成されます。
鍼灸治療の効果
当院では自律神経測定器で自律神経の状態を把握してから治療を行なっていきます。
自律神経の不調がめまいに影響を及ぼす事があるため、まずは自律神経機能を調節する事を目的に鍼やお灸を使って施術をしていきます。
寝不足がめまいを誘発させる事もある為、まずはリラックスできるお身体づくりを目指して、内耳の血流改善を目的に耳まわりにある経穴(耳門穴.聴宮穴.聴会穴)なども使用していきます。
筋肉の過緊張で首や肩のこりが強い方も多くいます。首肩のこりがめまいを増悪させる因子になる事もあり、その方に合わせた最適な治療を組み立てていきます。
気をつけたい3つの事
①睡眠
睡眠不足がめまいを引き起こす事があります。
ご自身に必要な睡眠時間を確保するように心がけましょう。
②食事のバランス
毎食毎バランス良くが理想ですが、忙しい現代人は外食やコンビニ弁当になる事も多いと思います。
栄養をちょい足しをするなら、例えば、カップラーメンの日は、ラーメンの中に高野豆腐(乾燥)入れてタンパク質を補う、コンビニ弁当の日はインスタントのしじみ汁を追加して鉄分を補うなど、出来る事から少しづつの意識が未来の自分の身体を変えていきます。
極度の疲れなどに強壮剤は一時的に効果を発揮しますが、不適切な服用は避けましょう。
③喫煙&飲酒
喫煙や飲酒はめまいを悪化させる可能性がある為、症状が出ている時は控えましょう。
最後に…
①適度な運動をする
めまい症状が出ている時は無理せず安静にする事が1番ですが症状が落ち着いてきてからは、リフレッシュなどを目的にお散歩や軽いジョギングなど会話が出来るくらいの運動量で行う事をおすすめしています。
②心と身体を休める
疲労を感じている時はゆっくりと身体を休めましょう。