頭鳴りとは?耳鳴りとの違い
「頭の中で音がしている感じがする」「脳が響いているような感覚がある」
これは多くの頭鳴りの訴えに共通する表現です。耳鳴りは耳の異常や内耳の機能低下が関係することが多いのに対し、頭鳴りは脳内で生じているように感じるため、精神的なストレスや神経系の乱れが背景にあることもあります。
また、夜間や静かな環境で強く感じやすく、不眠や不安を伴うことも。MRIや聴力検査では異常が見つからないケースも多く、「どこに相談すればいいのか分からない」というお悩みも聞かれます。
東洋医学では「気・血・水」の巡りが鍵
東洋医学では、頭鳴りは「気(エネルギー)」「血(けつ:栄養や血液)」「水(すい:体液やリンパ)」の巡りが滞ることで起こると考えます。
特に「肝(かん)」と「腎(じん)」の機能が関係しているとされ、これらが弱ると気血の上昇が不安定になり、頭部に“虚熱”や“過剰な気”が集中して不快な感覚を引き起こすとされます。
また、ストレスや過労、不眠が引き金となる「肝気鬱結(かんきうっけつ)」や、「腎虚(じんきょ)」と呼ばれるエネルギー不足も、頭鳴りの原因となることがあります。
鍼灸でどうアプローチするのか
鍼灸では、全身の気血の流れを整えるとともに、自律神経を調整する施術を行います。
例えば、頭部や耳周囲のツボだけでなく、「肝」「腎」「心(しん:精神・睡眠と関連)」に関係する経絡(けいらく)を刺激し、体内のバランスを整えます。
副交感神経を優位に導くことで、リラックスを促し、頭部の血流や神経の過敏な状態を緩和。施術を重ねることで、症状の強さや頻度が徐々に軽減するケースも多く見られます。
実際の改善例と感じ方
「頭の中の音が小さくなった」「気にしないで眠れるようになった」といった声は多く、特にストレスを感じやすい方や、不眠を伴うタイプに有効です。
もちろん効果には個人差があるため、継続的な施術と生活習慣の見直しを並行することが大切です。
初回の問診では、睡眠・ストレスやお体の状態なども丁寧にお聞きし、総合的に判断します。
まとめ:音に悩まず、静けさと心の平穏を取り戻すために
頭鳴りは、体のどこかが「がんばりすぎていますよ」というメッセージかもしれません。
目に見えない不調にこそ、鍼灸のような“体全体を整える療法”が効果を発揮します。
当院では、頭鳴りにお悩みの方に寄り添い、丁寧なカウンセリングと鍼灸施術で、健やかな日常を取り戻すお手伝いをしています。
「どこに相談していいかわからない」――そんな時こそ、ぜひ一度ご相談ください。