片頭痛とは？

片頭痛は、反復性の頭痛発作を特徴とする神経血管性疾患です。典型的な臨床像としては、拍動性（ズキズキとした）頭痛が挙げられ、通常は片側性ですが、両側性に発症することもあります。

頭痛の前に起こる前兆症状は，キラキラした光、ギザギザの光が視界にあらわれ見えづらくなる（閃輝暗点）といった視覚性の症状が最も多く、ほかにもチクチク感や感覚が鈍くなる感覚症状、言葉が出にくくなる言語症状などがあります。

特徴

突然起こるズキズキとした拍動性の痛みが特徴の頭痛です。この痛みは通常、片側の頭に感じられますが、両方の側に痛みを感じることもあります。また、痛みが脈打つように感じられることが多いですが、時には拍動しない頭痛もあります。

片頭痛が起こると、普段は気にならない光や音、匂いに対して敏感になり、不快に感じることがあります。さらに、吐き気や嘔吐を伴うこともあり、日常生活に支障をきたすことがあります。特に、階段を昇ったり、動いたりすると痛みが強くなることが多く、これにより寝込んでしまうこともあります。

原因

原因はまだ完全にはわかっていませんが、いくつかの要因が関係しています。
まず、片頭痛が起きるときには「三叉神経」という神経が関与しています。この神経は、顔や頭の感覚を感じる役割を持っています。何かのきっかけ（例えば、天候の変化やストレスなどの自律神経の乱れ、特定の食べ物（チョコレート、アルコールなど）など）があると、この三叉神経が活性化します。

活性化された三叉神経からは「CGRP」という物質が放出されます。CGRPは血管を広げる働きがあり、これによって血管が拡張し、周りの組織に炎症が起こります。この炎症がさらに三叉神経を刺激して、ズキズキとした痛みを引き起こすのです。

片頭痛の誘因

片頭痛の誘因は多岐に渡り、人によって異なります。ご自身の誘因を把握することは、片頭痛の発作を予防し、症状を軽減するために非常に重要です。

生活習慣
睡眠: 睡眠不足だけでなく、寝過ぎも片頭痛の誘因となることがあります。理想的な睡眠時間や睡眠の質には個人差がありますが、自分にとって最適な睡眠時間を見つけ、規則正しい睡眠習慣を心がけることが大切です。

ストレス
ストレスは、片頭痛の最も一般的な誘因の一つです。ストレスを完全に避けることは難しいですが、自分なりのストレス解消法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにすることが重要です。
食事: 不規則な食事や、特定の食品（チョコレート、チーズ、アルコールなど）の摂取は、片頭痛の誘因となることがあります。バランスの取れた食事を規則正しく摂り、特定の食品が片頭痛を引き起こす場合は、摂取を控えるようにしましょう。

運動
適度な運動は健康に良いですが、過度な運動は逆に片頭痛の誘因となることがあります。ご自身に合った運動強度や時間を見つけ、無理のない範囲で運動を続けることが大切です。

環境
気象変化: 天候の変化、特に気圧の変化は、片頭痛の誘因となることがあります。気象の変化に敏感な方は、天気予報を参考に、体調管理に気を配りましょう。
光: 強い光や、ちらつく光は、片頭痛を引き起こすことがあります。外出時はサングラスを着用したり、室内では照明を調整するなど、光対策を心がけましょう。
音: 大きな音や、騒音は、片頭痛の誘因となることがあります。静かな場所で休息したり、耳栓を使用するなど、音対策を心がけましょう。
匂い: 特定の匂い（香水、タバコ、化学物質など）は、片頭痛を引き起こすことがあります。匂いに敏感な方は、原因となる匂いを避けるようにしましょう。

その他
月経: 女性の場合、月経周期に伴うホルモンバランスの変化が、片頭痛の誘因となることがあります。
脱水: 脱水状態は、片頭痛を引き起こすことがあります。こまめな水分補給を心がけましょう。

片頭痛に対する鍼灸の効果

◯三叉神経の興奮を抑制する: 鍼刺激によって三叉神経の過剰な興奮を鎮め、CGRPの放出を抑制する
◯血管拡張を抑制する: 鍼灸治療には血管収縮作用があると考えられており、拡張した血管を収縮させることで、炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。
◯自律神経のバランスを整える: ストレスや不眠など、自律神経の乱れが片頭痛の原因となる場合、自律神経のバランスを整えることが重要になります。
◯血流を改善する: 鍼灸治療は血流を改善する効果があり、頭部への血流を促進することで、片頭痛の症状を緩和することが期待できます。

気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。