胃腸炎とは?現代医学での分類
胃腸炎とは、胃や腸の粘膜が炎症を起こした状態を指します。原因や症状は多岐にわたりますが、大きく分けて以下のようなタイプがあります。
急性胃腸炎
原因:ウイルスや細菌感染(ノロウイルス、ロタウイルス、カンピロバクターなど)、食あたり
症状:急激な嘔吐・下痢・腹痛・発熱など
慢性胃腸炎
原因:ストレス、暴飲暴食、ピロリ菌、薬剤性(NSAIDsなど)
症状:食欲不振、胃もたれ、腹部膨満感、軽い吐き気や便通異常
現代医学では主に整腸剤や制吐剤、胃酸分泌抑制薬などで対症療法を行いますが、再発しやすいのが特徴です。
東洋医学での胃腸炎のとらえ方
東洋医学では、胃腸の不調は「脾胃(ひい)」の働きの乱れと見なします。
脾(ひ)は消化吸収を担い、全身に気血を送る中心的な役割があります。胃はその「受け口」として、飲食物を受け入れる臓腑です。
胃腸炎が起こる主な東洋医学的原因
・外邪の侵入(風寒・湿熱など)
→ ウイルスや細菌などを“邪気”と見なし、外からの影響で脾胃にダメージが及ぶ。
・飲食の不摂生(暴飲暴食・冷飲食)
→ 胃が冷えたり、負担がかかることで「食積(しょくせき)」や「湿濁(しつだく)」が生じる。
・ストレスや感情の乱れ
→ 怒り・心配・憂いなどの感情が「肝脾不和(かんぴふわ)」を引き起こし、胃腸の機能が低下する。
・体質虚弱・気虚(ききょ)
→ もともと胃腸が弱く、少しの刺激で不調が現れるタイプ。特に女性や冷え性の人に多い。
鍼灸でのアプローチ
東洋医学では「病は未病(みびょう)に治す」とされ、胃腸炎の予防や再発防止にも鍼灸が活用されています。鍼灸では、身体のバランスを整えながら、自然治癒力を高めることが目的です。
鍼灸が効果的な理由
・胃腸の働きを整える経絡とツボへの刺激
→ 脾経や胃経を中心に施術することで、胃腸の機能を高めます。
・自律神経の安定化
→ 胃腸は自律神経の影響を強く受けるため、鍼灸により副交感神経優位のリラックス状態を促進。
・免疫力の向上
→ 特定のツボ刺激により白血球やリンパ球の活性化が促され、感染予防にもつながります。
・体質改善
→ 「胃腸が弱い体質」や「ストレスで体調を崩しやすいタイプ」にも、全身調整による根本ケアが可能。
よく使われる代表的なツボ
・足三里(あしさんり)
場所→膝下の外側
効果→胃腸強化・全身の免疫力アップ
・中脘(ちゅうかん)
場所→みぞおちとへその中間
効果→胃痛・吐き気・消化不良
・天枢(てんすう)
場所→へその両脇
効果→便通調整・下痢や便秘に
・内関(ないかん)
場所→手首の内側
効果→吐き気・ストレス緩和
・合谷(ごうこく)
場所→手の甲
効果→自律神経安定・痛みの緩和
患者さんの体質や状態に応じて、これらのツボを組み合わせ、身体全体の調和を図る施術が行われます。
胃腸炎で鍼灸を受けるタイミング
・急性症状が落ち着いたあと、再発予防や体質改善として
・ストレスで胃がキリキリする、食欲がわかないといった慢性的な胃腸の不調に
・冷えや疲れがたまりやすく、胃腸の調子を崩しやすい体質の方
急性期の高熱・激しい嘔吐下痢がある場合は、まず医療機関の受診が必要です。
その上で、回復期や慢性化した不調には鍼灸がとても効果的です。
当院の特徴
当院では、女性鍼灸師による丁寧なカウンセリングとオーダーメイドの施術で、胃腸の不調だけでなく全身の状態を総合的に整える鍼灸を行っています。特に、ストレス性の胃腸炎や体質による慢性的な胃腸の虚弱に対応したケアを得意としています。
完全予約制の個室施術(駅から徒歩4分)で、安心してご相談いただけます。
生活習慣のアドバイスや、お灸セルフケアの指導も行っており、再発予防まで丁寧にサポートいたします。
まとめ
胃腸炎は単なる胃のトラブルではなく、身体全体の不調のサインであることも少なくありません。鍼灸は、その根本にある体質や自律神経のバランスに働きかけ、薬だけでは得られない回復力と安定感をもたらします。
もし「胃腸が弱い」「最近お腹の調子がずっと悪い」と感じているなら、一度、鍼灸によるケアで体の声に耳を傾けてみませんか?