変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで関節の構造が変形し、痛みや腫れ、動かしにくさなどを引き起こす慢性疾患です。特に中高年以降の女性に多く見られ、加齢や肥満、筋力の低下、長年の膝への負担が主な原因とされています。
初期段階では「立ち上がるときに膝が痛む」程度ですが、進行するにつれて膝の可動域が制限され、正座や歩行が困難になることもあります。また、膝の中で炎症が慢性化し、関節液がたまり(関節水腫)、膝が腫れてくることもあります。放置すれば日常生活にも支障が出てくるため、早期のケアが重要です。
東洋医学から見る変形性膝関節症の原因
東洋医学では、変形性膝関節症の原因を「腎虚(じんきょ)」「気血不足(きけつぶそく)」「寒湿(かんしつ)」などの体質的要因としてとらえます。特に膝は「腎」と深い関係があり、腎のエネルギーが不足することで骨や関節の老化が進むと考えられています。また、加齢による「血(けつ)」の巡りの低下も、膝関節の潤滑性を損ない、痛みを引き起こす一因となります。
さらに、冷えや湿気(外部からの「寒湿邪」)が体内に入り込むことで、関節に滞りが生じ、膝に重だるさや鈍痛が現れることもあります。このように、身体全体のバランスが崩れた結果として膝の不調が現れていると東洋医学ではとらえ、局所治療だけでなく全身へのアプローチが重視されます。
鍼灸治療が果たす役割
鍼灸治療は、こうした東洋医学的な視点に基づき、膝の痛みだけにとどまらず、身体全体のバランスを整えることで自然治癒力を引き出していきます。
膝周囲のツボ(例えば「膝眼(しつがん)」「陽陵泉(ようりょうせん)」「血海(けっかい)」など)に鍼やお灸を施すことで、局所の血流を促進し、炎症や痛みの軽減が期待されます。また、「腎兪(じんゆ)」「足三里(あしさんり)」「太渓(たいけい)」など全身の調整に効果的な経穴にアプローチすることで、体の土台となる腎の働きを高め、関節の健康を支える治療も行います。
鍼灸の良い点は、薬に頼らずに痛みの緩和や可動域の改善を目指せること、そして副作用がほとんどないことです。慢性的な痛みや、薬に頼らずに体質から改善したいという方にとっては、大きな助けになる可能性があります。
当院での施術の特徴
当院では、変形性膝関節症に対して一人ひとりの体質や生活習慣に合わせたオーダーメイドの鍼灸施術を行っています。例えば、冷え体質の方には温灸を取り入れ、関節の冷えを内側から温めます。血流が悪い方には、動かすと痛む部位に鍼を施して循環を改善します。
また、女性鍼灸師による丁寧なカウンセリングと施術で、はじめての方でも安心してご相談いただけます。駅から徒歩4分という通いやすい立地にあるため、継続的な施術も無理なく続けていただけます。
最後に
変形性膝関節症は、進行性のある慢性疾患ですが、早期からのケアによって痛みを軽減し、日常生活の質を高めることが可能です。鍼灸は、そうしたケアの一助として、体の内側から根本改善を目指せる伝統的な方法です。西洋医学と併用しながら、ぜひ一度東洋医学の力を体感してみてください。