アキレス腱炎の原因とは?
アキレス腱炎の主な原因は、「使いすぎ(オーバーユース)」によるものです。
走る・ジャンプする・長時間の立位動作などで、腱に繰り返しストレスがかかると、小さな断裂が起き、炎症へとつながっていきます。
また、以下のような要因も発症を後押しします:
・加齢による腱の柔軟性低下
・足首の可動域の制限
・扁平足や靴の不適合
・運動前の準備不足
・冷えによる血流低下
これらの要因が重なって、腱への血流が悪くなり、修復が遅れ、慢性炎症が続いてしまうのです。
東洋医学の視点:腱と「肝(かん)」の関係
東洋医学では、腱や筋肉の不調は「肝(かん)」の働きと深く関係しているとされています。肝は「血(けつ)」を蓄え、筋・腱に栄養を与えるとされており、肝の働きが弱まると、腱がこわばり、柔軟性を失いやすくなるのです。
また、肝は「気の流れ(気機)」にも関与しており、ストレスや疲労などによって気血の流れが滞ると、腱や筋肉に炎症や痛みが現れることもあります。
アキレス腱炎は「気血の滞り」「肝の虚(きょ)」、そして「冷え」や「湿邪(しつじゃ)」が影響していると考えられ、これらを整えることで自然治癒力を引き出すのが東洋医学のアプローチです。
鍼灸でできること
鍼灸治療では、アキレス腱そのものだけでなく、その周囲や全身の状態を見ながら施術していきます。
① 血流改善と炎症の緩和
アキレス腱周辺のツボや、ふくらはぎ・足首の筋肉に鍼を打つことで、局所の血流を促進。慢性炎症を抑え、回復力を高めます。
② 自律神経とホルモンのバランス調整
体の深部に働きかける鍼灸は、自律神経を整え、筋肉の緊張をゆるめる効果があります。交感神経優位による緊張や血管収縮を和らげ、全身のバランスが整うことで、腱への負担も軽減されます。
③ 冷えの改善と筋肉の柔軟性アップ
お灸や遠赤外線灸を併用することで、足元の冷えを和らげ、筋腱の柔軟性を取り戻します。これにより再発予防にもつながります。
④ 根本体質へのアプローチ
単に「今の痛みを抑える」のではなく、「なぜ腱が傷みやすいのか」という体質や生活習慣にまでアプローチできるのが鍼灸の魅力です。
鍼灸はこんな方におすすめ
整形外科で湿布や薬だけでは改善が感じられなかった方
・スポーツを再開したいけれど不安がある方
・長期間の立ち仕事や歩行で慢性的な痛みがある方
・冷えや疲労が溜まりやすい体質の方
・自然に治す方法を探している方
鍼灸は、痛みの根本に働きかける体にやさしいケアです。
当院のご紹介
当院では、アキレス腱炎に対して「局所+全身」を見ながら、東洋医学的な観点でオーダーメイドの鍼灸施術を行っています。痛みだけでなく、体全体の調子も整えていくことで、再発予防とパフォーマンスの向上をサポートします。