■ 逆子になる原因とは?
医学的にははっきりとした原因が特定できないこともありますが、以下のような要因が逆子の一因とされています。
・子宮の形や大きさの異常(子宮奇形・子宮筋腫など)
・羊水過多・羊水過少
・胎盤の位置(前置胎盤など)
・骨盤の狭さや姿勢の悪さ
・多胎妊娠(双子など)
・母体の冷えや血行不良、自律神経の乱れ など
東洋医学では「母体の状態が赤ちゃんの居心地に影響する」と考えます。特に、「気(エネルギー)」や「血(けつ)」の巡りが滞っていたり、「冷え」があると、赤ちゃんが回転しづらくなると捉えます。
■ 鍼灸で逆子はどうアプローチする?
鍼灸では「至陰(しいん)」という足の小指の外側にあるツボを中心に施術します。このツボは、子宮の働きや血流と関係が深く、灸をすることでお腹の緊張がゆるみ、赤ちゃんが回転しやすくなるようにサポートします。
また「三陰交(さんいんこう)」や「八髎穴(はちりょうけつ)」といった骨盤周辺のツボにもアプローチし、体全体の血流とエネルギーの巡りを整えます。これにより、母体がリラックスしやすくなり、自律神経の安定も期待できます。
施術は妊娠28週〜34週頃までがもっとも効果が出やすい時期とされますが、36週前後まで対応できるケースもあります。できるだけ早めに相談することが望ましいでしょう。
■ 鍼灸は安全?痛くない?
鍼灸施術は、国家資格を持つ鍼灸師が妊娠中の身体に配慮しながら行います。使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みを感じにくいもの。灸も熱すぎず、心地よい温かさのものを使用するため、リラックスしながら受けられます。
また、施術中に赤ちゃんの動きを感じる方も多く、「ポコポコ動いて、回ってくれた気がした」というお声をいただくこともあります。
■ 鍼灸以外にできる逆子対策
鍼灸とあわせて、以下のような生活習慣の見直しも大切です。
・下半身を温め、冷え対策をしっかりと
・お腹をしめつけない服装を心がける
・良い姿勢で座る・寝る(うつ伏せや仰向けを避け、横向きに)
・深呼吸やリラックスできる時間をつくる
妊婦さん自身のストレスや緊張を和らげることで、自然と赤ちゃんが動きやすい環境を整えることができます。
■ 最後に|赤ちゃんとママに優しい鍼灸を
逆子は「失敗」ではなく、赤ちゃんがその時一番心地よいポジションを選んでいるとも言われます。
大切なのは、ママが不安を抱えすぎず、リラックスして赤ちゃんと向き合えること。
鍼灸は、そんな妊婦さんをそっと後押ししてくれる、やさしい自然療法です。
当院では、妊婦さん一人ひとりの体調や気持ちに寄り添いながら、丁寧にケアを行っています。
逆子でお悩みの方、帝王切開前にできることを探している方は、ぜひお気軽にご相談ください。