■ 背中の痛みの原因とは?
背中の痛みには大きく分けて以下のような原因があります。
【1】姿勢の歪み
長時間のデスクワークやスマホ使用による猫背や前かがみの姿勢は、背中の筋肉に慢性的な負担をかけます。特に僧帽筋・菱形筋・脊柱起立筋などの深部筋にこわばりが起き、コリや痛みを生じやすくなります。
【2】筋肉疲労・血行不良
運動不足や長時間同じ姿勢でいることで筋肉が固まり、血流が滞ることで老廃物がたまりやすくなります。その結果、痛みやだるさが慢性化します。
【3】ストレス・精神的緊張
ストレスを感じると交感神経が優位になり、無意識に体が緊張しやすくなります。とくに背中や肩周りの筋肉はストレスの影響を受けやすく、張り感や痛みとして現れます。
【4】内臓由来の不調
意外と知られていませんが、背中の痛みは内臓の不調と関係している場合もあります。例えば胃腸の弱りや肝機能の低下、婦人科系の不調などが背部痛として現れることもあるのです。
■ 東洋医学から見た背中の痛み
東洋医学では、体の状態を「気・血・水(き・けつ・すい)」の巡りでとらえます。
背中の痛みは、これらの流れが停滞し「気滞(きたい)」「瘀血(おけつ)」「寒邪(かんじゃ)」などが原因となることが多くあります。
また、背中は「督脈(とくみゃく)」という気の通り道が通っており、自律神経やホルモンバランスの乱れとも密接に関係しています。背部兪穴(はいぶゆけつ)と呼ばれるツボ群は、五臓(肝・心・脾・肺・腎)とつながっており、内臓機能の反応点でもあります。
そのため、ただの筋肉の疲労としてではなく、「体の内側からのサイン」として背中の痛みを読み解くことができます。
■ 鍼灸でできる背中の痛みケア
鍼灸治療では、痛みのある筋肉に直接アプローチするだけでなく、全身のバランスを整えながら根本的な改善をめざします。
【鍼】
・トリガーポイントにピンポイントで刺鍼し、血流改善
・緊張した筋肉をゆるめる
・自律神経を整える
【お灸】
・冷えによる「寒邪」を除く
・内臓の働きを助けるツボへの温熱刺激
・「気」の巡りを高める
とくに背中のツボは、仰向けでは届かない深部の反応点が多いため、うつ伏せや横向きの姿勢でじっくりと施術を行います。
■ 当院での施術例
当院では、まず問診と体質チェックを丁寧に行い、痛みのある部位だけでなく、全身の状態を確認します。
たとえば「背中の痛みと共に胃の調子も悪い」「生理前になると背中が張る」など、背景にある不調まで読み解いたうえで、一人ひとりに合わせたオーダーメイド施術を行います。
緊張が強い方には電気鍼や温灸を組み合わせることもあります。
■ まとめ
背中の痛みは、「姿勢のせい」と片付けがちですが、実は体全体のバランスの乱れを示す大切なサインかもしれません。
鍼灸では、表面に現れた痛みだけでなく、内側の不調や巡りの乱れにまでアプローチできるのが大きな特長です。
あなたの背中が伝えようとしている「体の声」に、そっと耳を傾けてみませんか?
当院では女性鍼灸師が施術を担当し、安心して受けられる環境をご用意しています。
高田馬場駅から徒歩4分、お仕事帰りやお買い物ついでにもお気軽にお立ち寄りください。