■ 痙攣とは?西洋医学の視点
痙攣は、筋肉が無意識に収縮し続けてしまう状態を指します。
原因として考えられるのは以下のようなものです:
・筋肉の疲労(長時間の運動、姿勢の固定)
・電解質バランスの乱れ(カルシウムやマグネシウムの不足)
・ストレスや自律神経の不調
・睡眠不足や栄養の偏り
・神経疾患や脳の病変(まれ)
多くの軽度な痙攣は一時的なもので、休息をとれば回復しますが、繰り返す・慢性的・日常に支障がある場合には注意が必要です。
■ 東洋医学ではどう考える?
東洋医学では、痙攣の原因を「肝の乱れ」「血虚(けっきょ)」「風(ふう)の邪気」などと考えます。特に以下のような状態が関係しているとされます。
・肝の不調:肝は「血を蔵し、筋をつかさどる」とされ、筋肉の柔軟性や神経の働きに関係します。肝の気が滞ると、筋肉がこわばったり、ピクピクと動くことがあります。
・血虚(けっきょ):血が不足すると、筋肉に十分な栄養が行き渡らず、痙攣しやすくなると考えます。特に女性や高齢者に多い傾向があります。
・風邪(ふうじゃ):体外から入る「風」の邪気は、急な発作や動きの激しい症状(まぶたが急に動くなど)を引き起こすとされます。
このように、東洋医学では体質・内臓・気血の状態から全体を見て整えることが重視されます。
■ 鍼灸でのアプローチ
鍼灸は、全身のツボを刺激することで自律神経のバランスを整え、血流を促進し、筋肉の過緊張を緩めます。
よく使われるツボ例
百会(ひゃくえ):頭頂部にあるツボで、自律神経を整え、心を落ち着けます。
太衝(たいしょう):足の甲にあるツボで、「肝の気」を整え、ストレスによるけいれんに有効。
陽陵泉(ようりょうせん):足の外側にあり、筋肉の緊張緩和に効果的。
内関(ないかん)・神門(しんもん):自律神経を整え、不安や緊張を鎮める。
さらに、痙攣が起きている部位に直接、低周波の電気鍼(パルス)を使うことで、筋肉のリズムを正常化する施術もよく行われています。
■ 施術の頻度と改善の目安
痙攣が頻繁に起こる、慢性的に悩まされている場合には、週1回ペースで3〜5回の施術をまずおすすめします。
・軽度であれば、2〜3回で症状の緩和が見られることも。
・長年のストレスや血虚体質が背景にある場合は、8〜10回程度の継続治療で徐々に体質改善が期待できます。
特に自律神経失調やホルモンバランスの乱れと関係する痙攣は、全身のケアを重視する鍼灸と非常に相性が良いのです。
■ 当院のアプローチと安心感
当院では、初回にしっかりと体質チェックと問診を行い、患者さまの「気になる症状」だけでなく「生活の背景」も丁寧に伺います。
痙攣の出やすいタイミングや体調の変化を元に、以下のようなオーダーメイド施術を行います:
・緊張型にはリラックスを促すツボ中心に
・血虚体質にはお灸で巡りと温めを強化
・冷えや女性ホルモンの乱れも合わせてケア
また、施術後には自宅でのセルフケア(お灸やストレッチ)のアドバイスも行っており、来院時だけでなく日常から改善を目指します。
まとめ
痙攣は、一見「些細なこと」に思えるかもしれませんが、頻繁に起こると日常生活の質を大きく下げてしまいます。
原因がわからず困っている方、薬以外の方法を探している方には、東洋医学・鍼灸の視点でのケアが一つの大きな選択肢になります。
心身のバランスを整えることで、ただ症状を抑えるだけでなく、根本からの体質改善も目指せるのが鍼灸の魅力です。
お困りの方は、ぜひ一度、鍼灸のやさしい力を体感してみてください。