■ 円形脱毛症の原因とは?
西洋医学では、円形脱毛症は「自己免疫疾患の一種」とされ、身体の免疫が毛根を異物と誤認し攻撃してしまうことで、毛が抜けてしまうと考えられています。
一方で、次のような誘因も関係するといわれています。
・強いストレスやショック体験
・睡眠不足や過労
・ホルモンバランスの乱れ
・遺伝的要因やアレルギー体質
ストレスとの関連は特に強く、自律神経の乱れや心身の疲労が引き金となることも少なくありません。
■ 東洋医学ではどう考える?
東洋医学では、円形脱毛症は主に「気血の不足」や「肝(かん)の乱れ」、「瘀血(おけつ)」、「ストレスによる気滞(きたい)」が原因とされています。
主な東洋医学的原因
・肝血虚(かんけっきょ)
肝は「血を蔵し、髪に栄養を送る」役割を担います。肝の血が不足すると、髪の成長が滞り、抜けやすくなります。
・気滞(きたい)・気逆(きぎゃく)
精神的なストレスや緊張が原因で、気の巡りが滞った状態。自律神経のバランスが乱れ、毛根への栄養供給が妨げられます。
・瘀血(おけつ)
血の流れが悪く、頭皮に十分な栄養が届かない状態。血流改善が重要です。
このように、髪の問題を「内側のバランスの乱れ」としてとらえ、全身から整えるのが東洋医学の特長です。
■ 鍼灸でできること
鍼灸では、頭皮だけでなく、自律神経やホルモンバランス、消化・吸収機能など全身の調整を行います。髪が抜ける原因を「結果」ととらえ、「なぜその結果に至ったのか」を探ってケアします。
施術の主な目的
・自律神経の調整(交感神経と副交感神経のバランス)
・血流改善による毛根への栄養供給
・ホルモン・免疫バランスの安定化
・ストレスの緩和と睡眠の質の向上
よく使われるツボ
百会(ひゃくえ):頭頂部。全身調整・気の巡り改善
肝兪・腎兪(かんゆ・じんゆ):肝・腎の機能調整。髪の栄養源を補う
足三里(あしさんり)・三陰交(さんいんこう):胃腸を整え、気血を補う
内関・神門(ないかん・しんもん):ストレス緩和、自律神経の安定
頭皮には、直接鍼を打つ場合と、温灸やローラー鍼など刺激のやさしい方法を使うこともあります。
■ 通院の目安と改善の流れ
脱毛症の程度や体質により個人差はありますが、一般的には以下のようなステップで施術を行います。
通院期間 施術頻度 期待できる変化
初期(1〜4週間) 週1回 自律神経や睡眠の改善、抜け毛減少の兆し
中期(1〜2ヶ月) 週1回 発毛の兆候(産毛)、頭皮の状態改善
後期(2ヶ月〜) 月2〜3回 発毛の定着、毛髪の太さ回復、再発予防
特に多発型や慢性化している場合は、3〜6ヶ月の継続的な施術が有効とされます。
■ 当院の特長
当院では、初回カウンセリングを丁寧に行い、現在の脱毛の状態や体質、生活習慣、過去のストレス経験などを詳しくお伺いします。
その上で、症状に合わせたオーダーメイドの鍼灸施術を行います。
・女性鍼灸師による対応で、髪の悩みも安心して相談しやすい環境
・頭皮へのやさしい施術+全身のバランス調整
・自宅でできるお灸や生活改善のアドバイスもサポート
「髪の悩みだけでなく、体全体が楽になった」と喜ばれる方も多く、心と体の両面からサポートできるのが鍼灸の魅力です。
■ まとめ
円形脱毛症は、身体からのサインとも言える症状です。ストレスや体の乱れが、表面に“髪”という形で現れているともいえます。
薬では届かない「体質」や「自律神経の乱れ」にアプローチできる鍼灸は、再発防止や長期的な改善を目指す方にぴったりの選択肢です。
髪だけでなく、あなた自身の内側を見つめ直すきっかけとして、鍼灸を取り入れてみてはいかがでしょうか。