ホットフラッシュ(のぼせ・発汗)や動悸、めまい、イライラ、疲れやすさ、睡眠障害…。症状の現れ方や重さは人によって異なりますが、「年齢のせいだから」と我慢してしまう方が少なくありません。
しかし更年期は、「体の変化に気づき、メンテナンスを始めるチャンス」でもあります。西洋医学だけでなく、東洋医学の視点からも心身のバランスを整える鍼灸は、この時期のケアに非常に相性のよい方法です。
更年期に起こる不調の原因
更年期の不調は、主に女性ホルモンの急激な変化によって自律神経が乱れることで起こります。エストロゲンは、血管の拡張・収縮をスムーズに行ったり、気分の安定に関わる神経伝達物質に働きかけたりする重要なホルモンです。そのため、エストロゲンが減ることで、血流や感情のコントロール、代謝バランスが乱れやすくなるのです。
また、生活の変化や心理的ストレスも重なりやすい時期。子育ての終わりや親の介護、仕事の役割の変化など、精神的な負担も大きく、自律神経への影響をより強めてしまいます。
東洋医学でみる更年期の体
東洋医学では更年期の症状を「腎虚(じんきょ)」や「肝気鬱結(かんきうっけつ)」といった概念でとらえます。
・腎虚(じんきょ):腎は成長・老化・ホルモンバランスを司る臓腑。年齢とともに「腎のエネルギー」が衰えるとされ、それが冷え・疲労・尿トラブル・骨粗鬆症などに関係します。
・肝気鬱結(かんきうっけつ):肝は気血の流れや感情の調整に関係するとされます。ストレスや情緒の乱れが続くと、気の流れが滞り、不安感やイライラ、睡眠障害として現れやすくなります。
・脾虚(ひきょ):胃腸が弱くなり、体に必要なエネルギーを作れなくなることで、疲労感やむくみ、だるさが起こります。
これらのバランスが崩れることで、多岐にわたる症状が現れると考えられており、根本的な体質改善が必要になります。
鍼灸でできること:心と体のバランスを整える
鍼灸は、乱れた自律神経を整え、血行を促進し、自然治癒力を高める療法です。東洋医学の視点から、今の状態を「体質」としてとらえ、五臓六腑や経絡(けいらく)のバランスを整えていきます。
主なアプローチ:
・自律神経の安定化
→ 睡眠の質を向上させ、緊張や不安を和らげる
・血流改善
→ のぼせや冷え、肩こり、頭痛の緩和に
・内分泌バランスの調整
→ ホルモンの働きを助けるツボへの刺激
・精神的ケア
→ イライラ・抑うつ・不安感の軽減
たとえば、「三陰交(さんいんこう)」「太谿(たいけい)」「関元(かんげん)」などは、女性の体のバランスを整える代表的なツボです。また、症状に応じて耳つぼやお灸も併用し、優しい刺激で深いリラックスへ導きます。
どのくらいで効果が出る?
更年期の症状は長期にわたりやすいため、週1回程度の施術を3ヶ月続けるのがひとつの目安です。初回から「よく眠れるようになった」「気分が落ち着いた」などの実感を持つ方もいますが、根本的な体質改善には継続的なケアが大切です。
また、生活習慣のアドバイス(食事・運動・呼吸法など)も組み合わせることで、さらに安定した体調が保てるようになります。
当院の更年期サポート
当院では、女性鍼灸師がカウンセリングから施術まで丁寧に対応いたします。話しにくい心身の不調も、安心してご相談いただける環境づくりを大切にしています。個室対応で、ゆったりと自分の心と体に向き合う時間を提供。必要に応じて漢方や生活のアドバイスも行いながら、東洋医学の力であなたの更年期をサポートします。
「これって更年期かも?」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。
あなたに合ったケアをご提案させていただきます。